•台湾歴史博物館 提供

昔から台湾と日本は何度も異なる時空間で触れ合い、交流し合ってきた。両者が刺激し合い、競争し合う度に輝きが放たれてきた。時には片方だけが眩しい光を放ち、時にはお互いに照らし合う。本特別展では、両者が照らし合うその輝きのもとで波動が起こって浮き彫りになる台日文学と文化についての紹介を行う。

昔、両国は遭難船の漂着をとおして接触を持ってきた。1803、1874年には、北海道、琉球の船がそれぞれ台湾に漂着し、台湾の原住民と出会った。1874年に台湾に漂着した琉球人が台湾の原住民によって殺害された「牡丹社事件」は、日本では「征台の役」と呼ばれる。

1895年台湾が日本によって植民地統治されてから、台湾のローカル文化と勢力の強い日本植民者文化とが衝突し合い、両者の間では排斥が起り、競合や交流といった現象が起きたのである。1945年第二次世界大戦が終わり、台湾と日本は植民地と宗主国という関係が終わった。時代の変遷にともない、台湾も日本も民主化および多文化的発展を経験してきたが、台湾各地では依然として、植民地時代の文化や近代化の痕跡が残されている。このような特殊な歴史背景があることによって、両者の交流はさらに頻繁に行われ複雑なものになり、また独特かつ豊かな光景を呈している。

本展覧会は以下の三つのエリアに分かれている。一、「見てみる」では、両者は当初、お互いのことを理解し合っていなかったが、どのようにお互いを認め合い、関係を築き上げてきたかについて見ることになる。二、「考えてみる」では、台湾人と日本人が触れ合う際に起きた衝突や競争、そして後にお互いを高め合うようになるまでの変遷を見てみよう。三、「恋してみる」では、庶民生活の文化の軌跡をたどることで、両者の日常生活での触れ合いや気持ちが解け合う情景、乃至近年の日本ブームや台湾ブームを見ていく。本特別展では、上記の通り台日間の無理解と理解、敵対と友好に関する描写、文学の交流と知識の再生産および複雑で錯綜した異文化の交流について紹介したい。