ファッション、メディアの記憶
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•台湾歴史博物館 提供 •台湾歴史博物館 提供

1990 年代初頭に入り、『東京エレベーターガール』というドラマが台湾の日本ドラマ市場を開拓したが、その十数年後には、日本のマンガ『花より男子』が台湾でドラマ化されたものが日本に「逆輸入」され、中国語ブームに火を付けた。しかし、1970 年代にはすでに台湾人の欧陽菲菲やテレサ・テンが芸能活動を行っていたのだった。さらに遡ってみると、台湾で大流行した「黄昏的故郷」のオリジナル曲は日本の歌「赤い夕陽の故郷」であり、「孤女的願望」は日本の歌「花笠道中」からリメイクされたものだった。ポップ・カルチャーは大人の世界だけでなく、異空間からタイムマシンでやってきた『ドラえもん』(台湾では「機器貓小叮噹」や「多啦A 夢」と翻訳される)や大人気の萌えキャラクター「Hello Kitty」なども台湾人の子供の成長には欠かせなかった。

ファッションアイコンが溢れる音・映像メディアの世界では、台湾と日本の間でこのように複雑かつバラエティに富むポップ・カルチャーが触れ合い、頻繁にそして緊密に交流しあっていたことがわかる。