美麗島(台湾)の声と横顔を読み取る
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台湾の統治期から様々な身分の日本人旅行者が各々の期待と想像を膨らませ、それぞれ異なるスケールとルートで相次いで台湾を旅行した。植民地時代に台湾を訪ねた皇室のメンバーや学者・知識層達は異国情緒を楽しむか、もしくは植民地統治の管理・宣伝の目的で旅行を行った。戦後生まれの若者世代になると、台湾を訪ねることによって、昔の日本の面影が浮き彫りにされ、過ぎ去った国の痕跡を探ってみることが目的になる。心境はどうであれ、台湾に長期間滞在した日本人達によって書き残されたテクストをとおして、台湾人自身が「見えていなかった」自己が発見され、日本人旅行者の足跡が残された観光スポットも観光のブームになるのである。このように、故郷と異郷が相互に照らし合うことによって、お互いがアジアないし世界に対する新しい認識と理解を構築することができるだろう。