相思相愛という名の友情
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現在、台湾と日本は政治上、実質的には国交がないが、両国が強い親近感と信頼感で繋がっているのは疑いのよう事実である。このような友情のふれ合いには、歴史的な背景があるだけでなく、文化的な面、価値観、そして生活経験の浸透に基づいており、素朴で単純に一般市民によるものであるという色彩が濃い。「相思相愛という名の友情」のコーナーでは、知性と感性に富むテクストをとおして、台日間において如何に親しみや憧憬を持ちながら分かり合えたかを物語っている。これらのテクストは、様々な背景を持つ著者によって書かれており、その著者には日本のファッションアイコンに憧れを持つ「哈日族」(日本好きの若者層)や、日本の民族性に深い理解を持つ「知日派」(親日派)、日本統治期に台湾で生まれ育った「湾生」、3・11 東日本大震災の際に義援金を送ってくれた台湾に感謝の念を抱いている日本人などがいる。これらの著者はそれぞれの感情と記憶をとおして、心の奥に潜む深い情念と切実な思いをテクストに書き下ろした。ここで主張された「国民の外交」は、カラフルで絢爛な万華鏡のように、台湾人と日本人の間で築き上げられてきた豊かで具体的な友情の風貌を照らしてくれるだろう。