南島の風景
字級: S M L

このエリアでは、それぞれ船長や官僚、軍医、漢文学者、人類学者によって書き記されたテクストが展示されている。これらは台湾の原住民の素朴で勇ましく、力強いイメージが表現されている随筆や古典詩である。このコーナーでは最も早く創作された『享和三年癸亥漂流臺灣チョプラン島之記』を展示している。1803 年、北海道の函館から出航した「順吉丸」という商船が、嵐に遭遇し、台湾の東岸にあるチョプラン島(今の花蓮秀姑巒溪口付近)に漂着した。船長の文助は現地で四年間暮らした後に再び帰郷し、秦貞廉によって文助の口述が聞き取られ、書き写され、挿絵まで付された。このほかに展示されているものも、原住民の衣食住、歌謡、風習について描写されたものであり、これらの作品をとおして当時の日本人が台湾の原住民についてどのように認識していたのか、また原住民の様々な生活ぶりについて覗いてみよう。